生きていてくれてありがとう
羽生選手の言葉に心底驚きました。
ただ、驚いたと同時に、そんなにも深く傷つき、悩んできた彼がここまで来られたということはコーチ陣始めチームメイトや、何よりご家族の献身的なサポートがあってのことだったんだな、彼は「一人」ではなかったんだな…と心の底から安堵しました。。
フィギュアスケート選手というものは、時折「孤独」に見えることがあります。
リンクの上に出て行ったら誰も助けてくれない。どんなに失敗が続いても笑顔で滑り、フィニッシュのポーズまでは沈んだ表情を見せてはいけない。
特にマスコミから注目を浴びている選手ほど、常に良い結果、優等生的なコメントを求められ、「孤高の存在」のように見えてしまうこともある。
けど、実際はそんなことないんですよね。。
彼ら彼女らはスケート選手である前に10代、20代の青少年なんですから。
以前、昔は男子はさほど注目されず取り上げられるのは女子ばかりだった、とブログで書きましたが、
注目されるにしてもきちんと「アスリート」として扱われていたとは決して思えない、
年頃の女子選手がフィギュアのフの字も知らぬどこぞのコメンテーターにセクハラまがいの酷いことを言われることもしばしばありました。
スケート連盟はマスコミの取材攻勢に対してあまり臨機応変には動けなかった(まぁ、ここ数年でのフィギュア界を取り巻く環境の変化があまりにも激しすぎたので連盟は連盟で対応に困っているのかもしれませんが…とはいえ、もう少ししっかり選手をガードできるようになってくれたらいいのにな、と思います。。)、
ファンは怒るかスルーするしかなく、選手は黙って耐えるしかなかった。
そんな今までの「なぁなぁ」で済まされていた流れの中で、羽生選手がここまで週刊誌始めメディアの報道にはっきり言及されたのは、本当にこれからのフィギュア界を考えても大きなことだと思います。
恐らく、ただ単に自分が酷い目に遭って辛い思いをしたというだけでなく、ご自身の後輩スケーターのことを思いやっての「敢えての」発言だったのでしょう。。
お隣の国韓国では、メディアの過剰報道やバッシングのせいで命を絶ってしまう芸能人の方が多いと聞きますが、日本でもそのような事態になっていってしまわないよう、週刊誌含め報道関係者には羽生選手のこの言葉を本当に深刻に受け止めていただきたいです。
それにしても、羽生選手の言動からして、私なんぞが思っていた以上にしっかりネットやメディアの動向を見ているのかもしれないな、ということが分かりましたね。。(ものまね芸人の羽生ゆずれないさんの存在も、ひょっとしたらご存知の上で黙認されているのかも…笑)
そこで、羽生選手がSNSを見ておられるという前提で、今後ファンとして気をつけていった方がよいと思われる点が二つあります。
まず一つ目。
「アンチは◯ね」「消えろ」などといった「◯」を連想させる言葉は絶対にやめた方が良いです。
誰が見てもあまり気分の良い言葉ではありませんが、特に一度そういった精神状態を経験している人にとっては、たとえ自分ではなく「アンチ」に向けたものであろうと人の存在を全否定するような言葉は非常にショッキングなものです。
心を抉られます。
アンチや悪質な週刊誌のゴシップに憤るお気持ちは分かりますが、そういった思いは自身の中にだけ秘めておきましょう。。
二つ目。
以前からもブログで書いている内容と少々被りますが、彼のファンを名乗って他選手、スケーター、そのファンの方々(悪質ファン、ではなくファン全体を一括りにして)を叩いたりしないこと。
もちろん、大半のファンの方はアンチは許せないけど選手のことは叩かないという温厚な方なのでしょうが、残念ながらTwitterではアンチ許せないと言いながらアンチの人達の推し選手やファン全体を叩いておられる方を何名か見かけたことがあります。。
今現在、羽生選手へのバッシングで問題になっている人達も、もともとはご自身の贔屓選手を「守ろう」という気持ちで何か気に入らないことがある度にスケート連盟やマスコミにクレームをつけてきたのが、色々あって彼のアンチになった、という顛末があると思われます。
アンチに傷つけられた、嫌な思いをしてきたというファンの方こそ、同じようなことになってしまわないように十分気をつけていただきたいな…と思います。。
こっちは被害者なのに、◯◯ファンの方が悪質なのに何で羽生ファンばかりそんなのいちいち言われないといけないの、、という思考になりかけている人はちょっと注意した方が良いかもしれませんね。
アンチという存在の唯一の良いところは「反面教師にできるところ」です。
私自身も、たまにうっかりアンチコメントを見てしまっても、ああいう風にだけはならないようにしよう…と心掛けるようにしています。
そうやって、アンチの人達への怒りや悲しみといったマイナスな感情を、「よい反面教師になってくれている、私はこうならないように気をつけよう」という風に思考チェンジをしてみたら、少しは気持ち的には楽になれるかな…?と個人的には思っています。
宜しければ是非チャレンジしてみて下さい。
(まぁ、精神衛生上よろしくないことには関わらない、のが一番だとは思いますがウッカリ目にしてしまうということもありますしね…)
今このときになって、ご自身の辛かった気持ちをファンの前でしっかりと語ることができたということは、羽生選手の状態は今はとても安定しているんでしょうね。
また、言葉の端々からもアンチやメディアへの恨み節ではなく、言うべきことだけしっかり言おう、あとは支えてくれた方へ感謝の気持ちを伝えよう、といった前向きな気持ちも感じられます。
どうか、羽生選手が今後は本当に「自分のために」生きていってくれることを、
そして、今後他のスケーターが酷いバッシングに巻き込まれないことを、
改めて願っています。
ファンの一人より。。